痔の手術について

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いぼ痔(痔核)の手術

内痔核

痔核硬化療法
痔核硬化療法

痔核硬化療法とは切らない痔の治療で、内痔核に直接硬化剤を注射して、出血を抑えて小さくしていって治します。
痛みはほとんどなく、翌日から肛門を良好な状態にすることが可能で、治療は日帰りで受けられます。

痔核硬化療法で使用する注射には「パオスクレー」と「ジオン」の2種類があり、内痔核の状態に応じて適切に使い分けます。

パオスクレー

アーモンドオイルの中に5%の割合でフェノールが配合されている硬化剤で、週2回、1つの内痔核に対して1回に2.5mlを注射します(総量5ml以上)。
注射時の痛みはほとんどなく、出血などの症状もすぐに改善させられます。
第Ⅱ度の脱出をともなう内痔核にも効果を発揮します。

ジオン

硫酸アルミニウムカリウムの水溶液の中にタンニン酸が配合されている硬化剤で、内痔核の根元や深部など、4箇所に注射します。
4箇所に分けて注射することで硬化剤が内痔核に浸透しやすくなり、手術同様の効果が期待できます。
ただし、血圧の低下や発熱などの副作用が起こる場合がありますので、入院して治療後も医師からきちんとケアを受けることが大事です。
またすべての内痔核に対応できるわけではなく、ジオンが有効かどうかきちんと見極める必要があります。

輪ゴム結紮法

内痔核の根元に「輪ゴム結紮器」という器具を使って輪ゴムを掛けて、血流を遮断して内痔核を壊死・脱落させる方法です。
脱出するものの自然に戻る第Ⅱ度の内痔核、指で押し込まないと戻らない第Ⅲ度の内痔核、脱出したまま戻らなくなった第Ⅳ度の内痔核などが適応となりますが、いずれの場合も輪ゴム結紮器が掛けられる程度の大きさの内痔核であることが条件となります。

輪ゴム結紮法は比較的簡単に行える治療方法ですが、適応かどうかを見誤ったり、輪ゴム結紮器で輪ゴムを掛ける場所を誤ったりすると強い痛みが発生したり、再手術の原因となったりすることがありますので、お一人おひとりの内痔核の状態を適切に見極めるようにしております。

痔核根治術
痔核根治術

すべての内痔核が適応となる治療方法で、内痔核を根元から切除して症状の改善をはかります。
局所麻酔を実施した後、指や肛門鏡などでストレッチを行って、内肛門括約筋の緊張を緩めて術後の痛みを抑えるようにしています。
また切除する際、血管をしっかり縛って出血を抑えるようにもしています。

内痔核の性状は患者様お一人おひとりで異なるため、ただ切除するのではなく、どの範囲まで皮膚を剥離するか、またどのように切除するかを事前に頭でデザインしてから手術を行います。

手術後、しばらくは出血や排便時の痛みが続きますが、1週間から10日も経てば排便時の痛みが楽になり、術後2週間で焼く80%なおります。そして3週間もすればほとんどの場合で傷は治ります。

切れ痔(裂肛)の手術

裂肛根治術

切れ痔(裂肛)の根治術は内肛門括約筋の緊張を取ることを目的に行われ、1泊2日の入院で手術いたします。
「内肛門括約筋の一部を切開する」と聞くと、患者様の中には「肛門が緩くならない?」と心配される方がおられるかもしれませんが、ご心配いりません。
切れ痔の根治術はあくまで「過度に強まった内肛門括約筋の緊張を取って元の状態に戻す」もので、正常な緊張までも緩めてしまうものではありません。
なので、切れ痔の手術を受けることで肛門が緩くなるようなことはありません。

こうした心配は内肛門括約筋への誤解から生じているものと思います。
内肛門括約筋とは便が出ないように締めるための筋肉ではなく、便意を感じた時に緩んで便を出やすくする筋肉です。
なので、この筋肉の緊張を取っても便が勝手に出るようなことはなく、正常に排便できるようになるわけなのです。
そして、裂肛根治術は排便時の痛みをとることが目的です。排便時の痛みが強い患者様ほど術後最初の排便が楽にでます。

あな痔(痔瘻)の手術

痔瘻根治術

あな痔(痔瘻)を根治するには病気の原因である肛門腺とトンネルを除去する手術が必要です。
手術後、60%程度の方が最初の排便から痛みがなくなり、4~5週間程度で治癒されています。

ただし、必ずしも手術が必要になるというわけではなく、肛門周囲膿瘍を切開して排膿した方のうち、何も症状が起こらない方も70%程度いらっしゃいます。

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