切れ痔とは?
肛門まわりの皮膚が切れた状態です
切れ痔(裂肛)とは肛門の皮膚(肛門上皮)が切れた状態のことで、便秘による硬い便の排泄、また下痢便によって肛門が傷つくことで起こります。
肛門の出口付近が切れることで、痛みや出血などの症状が現れます。痛みを繰り返すことで括約筋の緊張が強くなり、このことで排便時の痛みが強くなったり、排便後に持続する痛みが出てきます。
下痢・便秘が切れ痔の大きな原因
切れ痔は硬い便を排泄した際、それによって肛門の皮膚(肛門上皮)が切れることが原因で発生するため、便秘がちな女性に多くみられます。
また強い勢いで排泄される下痢便によって肛門が傷ついてしまうこともあり、排便障害が切れ痔の大きな原因であると言えます。
言い換えると「便の状態を整えれば切れ痔は治せる」ということです。
初期の切れ痔の場合、便の状態を整えることで、手術を受けなくても改善させることが可能となります。
ただし、切れ痔が慢性化してしまうと痛みのために「内肛門括約筋(便意を感じた時に緩んで便を出やすくする筋肉)」が過度に緊張してしまい、しまりが強くなってしまうことで痛みが強くなったり、排便後の持続する痛みの原因になります。
こうした場合には、内肛門括約筋の緊張を取るための手術が必要になります。
どんな症状が起こる?
切れ痔の主な症状として、排便時の強い痛みや出血があります。
出血量はそれほど多くはありませんが、痛みによって内肛門括約筋が過度に緊張して、しまりが強くなることでさらに激しい痛みが生じるようになります。
また傷口が深くなると炎症が起こり、肛門ポリープや皮垂(スキンタッグ)、肛門狭窄(肛門が狭くなること)などの原因となる場合があります。
このような場合には、内肛門括約筋の緊張を取って元の状態に戻すための根治術が必要になります。
切れ痔の治療方法は?
便の状態を良くすることで改善できます
下痢や便秘などの排便障害が原因で起こることの多い切れ痔は、便の状態を良くすることで改善可能です。
ただし、肛門が切れたり治ったりを繰り返していくうちに、だんだん病状が悪くなり慢性化し、内肛門括約筋の緊張が強くなると根治術が必要になります。
切れ痔の根治術
切れ痔の根治術は内肛門括約筋の緊張を取ることを目的に行われ、1泊2日の入院で手術いたします。
内肛門括約筋の一部を切開することで強まった緊張を取り、元の状態に戻します。
また、切れ痔が原因でできた肛門ポリープや皮垂(スキンタッグ)を切除して、良好な予後を得られやすくします。
切れ痔は排便時の痛みがつらい病気ですが、手術することで痛みが緩和されて、楽に排便できるようになります。